2019/04/16 09:28

年金はだれのためにある?

 年金と聞くと、「歳をとってからリタイアしたときにはじめてもらえる」「若い人にとっての年金制度は、今の高齢者に『仕送り』するだけで、自分が高齢者になったときにはほとんどもらえないから支払うだけ損」・・・こう思っている人も多いことでしょう。
 上記の2つの意見は、100%間違いではありませんが、年金制度に対して「誤解」をしているのも事実です。
 実は、公的年金制度には、65歳以上の人が受け取れる「老齢年金」のほかに、重い障害がある人を支える「障害年金」、亡くなった遺族を支える「遺族年金」の3種類があります。年金というと、老後の生活資金となる「老齢年金」をイメージしがちですが、けっして高齢者のためだけにあるのではなく、加入している人全員が、必要なときに保障を受けられるようになっているのです(下図)。

【年金の種類】

老齢年金

65歳から亡くなるまでもらえる年金。

障害年金

病気やけがなどで一定の障害を負った場合にもらえる年金。

遺族年金

公的年金の加入者がなくなったときに、遺族(配偶者もしくは子ども)がもらえる年金。

 障害年金は、障害の状態にある自営業者、サラリーマンを含めたすべての人に支給されます。もちろん、保険料をきちんと払っていることが条件です。障害年金を受け取るには、原因となった病気・けがについて、はじめて医師にかかった日(初診日)の前々月までに、

①(国民年金に加入しなければならない期間のうち)2/3以上の国民年金の保険料を収めていること
※保険料が免除された期間も含む。

もしくは

②前々月までの1年間に保険料の未納がないこと

が必要となります。


「前々月までに」となっているのは、かけこみで保険料を納めるのはダメ、ということです。
 障害年金は、がんなどの病気や、うつ病などの精神疾患にも適用されます。
 また、国民年金に加入する前の20歳前に病気やけがで障害を負った場合でも、20歳になったときに障害年金が支給されます。

 年金は、現役世代のリスクに備えた「保険」であることも知っておきましょう。


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